家庭のまつりには、神棚まつりと祖先まつリがあります。
日本では古くから、お正月にお迎えする歳神さまをはじめ、台所にはかまどの神さま、井戸には井戸の神さまなど、さまざまな神さまをそれぞれにおまつりします。近世以降は、伊勢の神宮の御神札(神宮大麻)と氏神さまの御神札、また特別に崇敬している神社の御神札を神棚におまつりして、神棚まつりを行うのが一般的となって今日に至っています。
祖先まつりは家代々のご祖先をおまつりするもので、御霊舎で行います。祖先まつりを行うのは、古来日本では、祖先の霊はこの世にとどまって祭りを通して人と交わり、この世の子孫を守ってくれると信じられているからです。
家庭のまつりは、日常生活における一家の中心となる行事です。神棚や御霊舎をおまつりする場所は、家の内でもキレイなところを選ぶようにしましょう。
一般には、清らかで明るく、静かで高いところに、南向き、あるいは東向きにおまつりするのがよいと言われています。
しかし、現在ではこのような場所が見当らないことも多く聞かれます。
こうした場合は、家族が親しみを込めて、毎日お参りのできる場所を選びましょう。私たちをいつも見守って下さっている神さまやご祖先と共に暮らし、親しみを込めておまつりすることが家庭のまつりの原点だからです。家族がいつも集まって会話をしたり食事をするような、家庭生活の中心となる部屋の適切な場所に、大切におまつりしましょう。
また、神棚と御霊舎を同じ場所に並ぺておまつりすることになったとしても、神さまとご祖先を親しみと感謝を込めておまつりすることを大切に考えれば、差し支えないでしょう。(神道の家の場合)